作家、塩野七生(しおのななみ)さんの信者と自負している私としては書かないわけにはいかない、ヴェネツィア。
私も好きで2回行きましたしね。
… 暇か。
いやいや、決して私は暇ではありませんよ。
ただ、どうしてもやりたいことがあって戻らなければならなかったんです。
塩野七生さんでヴェネツィアと言えば、そう、「海の都の物語」です。
これを読んで、絶対やる!!と決めたことがあります。それは、
結婚式。笑
わっかるかなー、読んでる人ならわっかるかなー笑
まま、詳しくは後でお話します。少々お待ちくださいませ。
今日は、何回かお邪魔したヴェネツィアの街についてご紹介します。
お楽しみいただけると幸いです。
1分で分かる海の都
イタリア、ローマ、フィレンツェと並んで3大都市のうちの1つ。ヴェネツィア。
今回は、ボローニャからの出発です。ボローニャからだと2時間ちょいくらいじゃなかったかな?うる覚え。笑
でも早朝出発して、夜にはボローニャまで戻れるのでめっちゃ離れてるっていうわけでもありませんよ。2時間ちょいで合ってるはず。
ボローニャの券売機(窓口でもオッケー)で、ヴェネツィアまでのチケットを買います。ホームに入るところにある黄色い箱型マシンに差し込んで、ピピっていったら完璧です。
これで、「このチケット有効ですよ」(っていう意味の日付と時間)のスタンプが押されます。
このスタンプ無しでは切符は無効なままなので、車掌さんに出くわしたら罰金の対象になります。この行為は、日本でいえば「切符買ったけど改札に通さずに電車に乗った」という感じ。
そら怒られますね。笑
ヴェネツィア着いたら、駅前はもう運河ですよ!

たまらんなーーー
でもここはね。
今ではカーニバルだ、オシャレなカフェだと言ってイタリア感MAXに感じられる場所ですが、昔は土地などもない、本当にただの干潟みたいなところだったんですよ。ずーーーーっと昔は。
そう思うだけでほら、もう涙出てきませんか、当時の人たちの努力に。
ああ、頑張ったんだねって…涙
見てください、これ。

こんな建物いっぱい建てて…涙
今ではこんなに栄えているヴェネツィアも、元々はローマ帝国が崩壊する頃に入ってきた、「野蛮な」民族から逃れて生きていくための最後の土地みたいなものでした。
出来るだけ敵が入ってこない、攻めて来づらいところという意味で、
- 海に囲まれているので陸からの侵略がしづらい事に加え、
- 潮の満ち引きによって地形が変わり、
- 大きな船でも攻めてこれない、
この場所は最適だったんですよね。
元々の目的がそこなので、水路を全部埋めて真っ平らな土地とかを作ってしまうと、意味をなさなくなってしまう。
という事で、水路メインに、それを避けながら街が作られていきました。
そうした結果が、

これですよ!!
結果オーライにもほどがある。
ゴンドラも、本当は大きな船とか作りたかったけど、そうすると細い水路を通れなくなるっていうんで今のサイズになりました。
オモシロすぎません?笑
もうこれを知ってるだけで、この「絵本のような世界」に「人が住む生活感」を感じることが出来ますよね。
わたしゃこれがたまらんのですよ!
建築には全く詳しくない私ですが、水の上に家を建てることが難しいってことくらいは分かります。それをこんなに沢山建てていったんだから、本当に脱帽です。
サンマルコ広場行きましょ
この街は水路メインに作られたから、細い路地が山ほどあります。小さい街なのに、地図がないと普通に迷うくらい。
それがまたいいんですけどねええ…!
裏路地がいいんですよ…!
観光客の来ないところにこそその土地の本当の生活が見えます。ローカルの人が昼間からお酒飲んでる姿が見れたり。笑
とはいってもヴェネツィアというだけで、観光地じゃないところがないくらい島全島が観光地化してるんですけどね。
実はヴェネツィアの裏路地は、裏路地という名前らしく暗く、狭く、寒いです。
ヴェネツィアのような狭い土地に多くの住民を住まわす手段は1つしかありません。それは、建造物を高くすること。
先程ご説明した水路を活かす理由の為、埋め立てが出来ないこの街では必然的に道は狭く、建物は高くなっていきます。
建物が高くなれば、それに応じで影の部分が多くなり、暗くなり、ひんやりした空気が漂う…
大通りの華やかさとは、また違ったヴェネツィアの一面を見れますよ。
もし裏路地で迷っちゃったとしても、小さい街なのですぐ大きな通りに出られます。そして適当に歩いてても、大体の道はサンマルコ広場に繋がります。
サンマルコ広場と言えば、時々起こるヴェネツィア大洪水(っていうか大潮)、アクアアルタのせいでよく沈んでる場所です。
この地図のここ。

これです。
この広場ねえ、よく映画とかでイケメン俳優が落ち合う場所に指定したりするけど、
人いすぎて絶対見つかんないから。
最悪な待ち合わせ場所だから。笑
あれかな、もしかしてオーラで分かっちゃうやーつかも知れない。
そして、ここの私のツボが、海沿いに見える柱。左側のやつです。
ライオンが上に乗ってる柱。このライオンがヴェネツィアのシンボルなんですよ…!当時から。
ライオンと、そのライオンが聖書に足をかけてるやつと。
教会の上とか街中にもいっぱいありますので、見つけてみてくださいな。隠れシンボルを探す旅もしたいですねーいつか。
しかもまた、かっこいいんですよヴェネツィア共和国時代の旗が…涙
これ!これですよ!!

見づらい。
すいません、風が吹いてくれなくて。汗
ですけどこれ、深紅の生地に黄色でライオンのシンボルの刺繍がされているんです。これがお偉いさんが乗ったりする船に掲げるものになると、黄色の糸で縫われるんです…
こんなの…感動するしかない…
深紅に金色って、この高貴感…
まさしく世界一の海軍国にふさわしい旗!(当時)
写真で見ると分かりやすいですが、なびく側が細く切られているので、これが風になびくサマはまさに
王家のそれにしか見えないじゃないのー!!
ああ、もう好き。こういうの大好き。涙
それで、この旗お土産屋さんに売ってますから。買えます。お金出せば国旗が手に入るなんてなんていい時代なんだ…
…勿論私も、買いました。
黄金が似合う街
先程のサンマルコ広場にどどーんと構えるサンマルコ寺院。
Basilica(バジリカ)って日本語で何になるんやろね。寺院でいいんだろうけどしっくりこない…まあいいか。
中に入るとこんな感じです。

天井金張り!!
ふぁーーーー豪華!
どれだけこの街が栄えたか感じさせられますね…!
だってこれ、1つの街ですよ!
ローマにもサンピエトロという大聖堂がありますよね。あそこも豪華だなーーーと驚きましたが、ここはローマと違います。ローマは、
全てのキリスト教区のトップに立つ街
なので、年貢金だのお布施だの、めちゃめちゃお金入ってきます。
でもヴェネツィアは一介の街。多少の教区は束ねても、ローマにはとてもじゃないけど及びません。
それに宗教のトップであるローマ直々に破門とかされちゃったこともある、おてんばちゃんです。でも、そんな街がこんな豪華なもの作れるってことは、
どれだけここが栄えていたか…
そんでお金持ちだったか…
今ならちょっとお分かりいただけますか。
昔ヴェネツィアは、今の中東とかエジプトとかその辺と貿易しまくっていました。当時のイタリア半島は、
キリスト教以外だめー!って感じですごい厳しく取り締まってたんですよね。そんな中、当時でいう「異教者」との貿易。
そら破門されますわ。笑
でも、その時代に逆らって頑張って稼いだ結果が、
この豪華なバジリカ!魅力的な街!
繁栄は苦労無くしてはあり得ないんですね…
お疲れ様です。
ヴェネツィアの先人たちよ。
結婚式
そして!メインイベント。結婚式。

これは当時、ヴェネツィアのトップに立つ人間の就任式の時に、指輪を海に投げ入れて、
海よ、お前と結婚する!
ってやるっていうやつなんですけど、俗に言うこの「結婚式」を経て真のヴェネツィアを統べる人間になれたんです。海なしでは生き残れない、ヴェネツィアならではの就任式ですよね。
…でも待って。
何なの、このロマンの塊。
そう、私はこれがやりたかったの。どうしても。
これをさ、大勢の人間が参加する就任式で、しんと静まり返ってる民衆の前でやるんやって…指輪を投げ入れるのは、海の都らしく、船の上から。
サンマルコ広場に集まる大勢の民衆。
見上げる視線の先に、なびく深紅と金の旗。
海によって道を得て、繁栄を謳歌する国のトップが、
その国を守り支える海と、結婚をする…
…くあああ、嘘だろう?
こんなことがあっていいのか?
こんなことがあるだろうか、いやない。いや、ある。ああしんどい…大好きヴェネツィア。
私はむしろ、現代に生を受けてよかったのかもしれない。当時だったら興奮して心臓発作を起こしていたに違いない。
まあまあそんな感じで、早速指輪を調達しに行きました。

何せいつも貧乏旅なので、いい指輪なんか買えません。が。ガラス細工でも有名なヴェネツィア。
ここはそれでいこう。
ということで、ガラス細工を取り扱うお店で2つ、指輪を購入しました。
なぜ2つかって?
それは…結婚ですから。投げ入れる分と自分の分もいりますでしょう?
その後、適当に街を歩きながら結婚式する場所を探しましたよ。

しばらく歩いて見つけたこちら。まあ、ここでいいかなって思いまして。笑
ただ、ふと思いました。
指輪を投げ入れるって、ロマンチックに見えるけど他人から見たらただの、
不法投棄…
ここで私はチキってしまった。
大好きなヴェネツィアで犯罪か?
犯罪じゃなくても迷惑行為じゃないか?
そう、躊躇ってしまったんです。
出来なかったんですよ、結婚式!!涙
何の為にここに戻ってきたんじゃ。十何万も何時間もかけて。あり得ない…そう思いながらも、頭によぎる
不法投棄…..
葛藤しましたよ…したい、結婚式したい!だがこの街に迷惑をかけるのは本意ではない。
それに、大好きなヴェネツィアの海をこれ以上汚すなんて!
そして結果、惨敗。
自分に負けました。
世間体を取りましたよ私は。
なんて情けないんだ。結婚できなかった。
ぐうぅ…指輪まで買ったのに…
結婚するってこんなに難しいことだったのか。ヴェネツィアで思い知らされました。
帰宅
もう結婚できなかったし…帰ろう…
そうして帰路に着きました。

Ponte di Rialto(ポンテ・ディ・リアルト)という超有名な橋を渡って裏路地へ。これは昼間に撮った写真ですけどね。
それよりも何で、この橋の日本語名がメガネ橋なんでしょうね。ダsくないですか?
実際帰路についたのは夕方ごろだったので、街中も少しライトアップされてました。
さあ、ヴェネツィアのガラス細工が本領発揮する時です。

このような灯りが、駅に続く通りのあちこちに飾られていました。何かのイベントだったんでしょうか。
しかしいいですよねえ。
こんな感じのライトが当時作られていたかは分かりませんが、ガラス細工は、昔からヴェネツィアの名産の1つでした。
こういうもので街が彩られてたかも知れない、というのも、またロマンですよね。
そうそう、本当に捕捉なんですが、このヴェネツィアのイタリア語とんでもなく聞きづらいです。各都市で独特のアクセントを持つイタリアらしいですね。笑
色んな土地で、アクセントの違いを探してみるのも楽しいかも知れません。
最後に
今回はヴェネツィア編でしたが、いかがでしたか?
こういう観光資源の塊、みたいな町は紹介するのが本当に難しいですね…全部言いたいけど、そんな全部語ってたら飽きる記事になっちゃうし。
博物館とかもありますので、興味のある方は行ってみてくださいね。
こんな記事でヴェネツィア行きたいなーって思ってくれる人がいると本当にうれしいです。笑
私はと言えば勿論、いつかまた行きますよ。
なにせ結婚式してもらってませんからね。
狙った相手は捕まえる、その度胸が要りますよ結婚するには。笑笑
何はともあれ。
今回もお読みいただき、ありがとうございました!